近年、マッチングアプリ業界では「AI」を前面に打ち出すサービスが急増している。
しかしその一方で、AIウォッシングと呼ばれる問題も顕在化しつつある。
AI技術への期待が高まる今だからこそ、ユーザー・事業者双方に注意が求められている。
AIウォッシングとは何か
AIウォッシングとは、
実際にはAI技術がほとんど、あるいは全く使われていないにもかかわらず、あたかもAIによって高度な価値を提供しているかのように見せる行為を指す。
「AI搭載」「AIが最適な相手を選定」
といった表現を用いながら、実態は従来型のロジックや簡易的な機能に留まっているケースも少なくない。
マッチングアプリ業界でも広がる“AI”の誤用
マッチングアプリでは、
- 単純な条件マッチング
- 既存データを用いたレコメンド
- 定型文を生成するテキスト補助機能
といった仕組みを「AI」と呼称している事例が多く見受けられる。
もちろん、これらの機能自体に価値がないわけではない。
しかし、高度な学習や推論を行うAIが中核機能として使われているかのような表現には注意が必要だ。
「AIマッチングアプリ」は優良誤認に当たる可能性も
AIが部分的にしか使われていないにもかかわらず、
サービス全体を「AIマッチングアプリ」として強く訴求する場合、景品表示法における優良誤認に該当する可能性がある。
これはユーザーに対し、
「AIによって他サービスよりも本質的に優れている」
という誤解を与えかねないためだ。
今後、AIという言葉の社会的影響力が高まるほど、表現の適切さはより厳しく問われていくと考えられる。
ユーザーに求められる視点
ユーザー側も、「AI」という言葉だけで判断するのではなく、
- どの機能にAIが使われているのか
- マッチングのどこまでをAIが担っているのか
- 従来機能との違いは何か
といった点を冷静に見極める必要がある。
本当に重要なのは、
「AIかどうか」ではなく、
自分にとって価値ある出会い体験が設計されているかだ。
AI時代だからこそ、誠実な情報開示が求められる
今後、AIはマッチングアプリにおいて欠かせない技術になっていく。
だからこそ、過度な演出や誇張ではなく、誠実な説明と透明性が企業側に求められる。
AIウォッシングが横行すれば、
結果的にユーザーの不信感を高め、市場全体の成長を阻害しかねない。
「AI」という言葉が当たり前になる時代だからこそ、
その中身が問われるフェーズに、マッチングアプリ業界は突入している。








